火の見やぐら

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2012年2月4日 この記事をはてなブックマークに登録 この記事をnewsing it!へ追加  印刷する 印刷する

 夕焼けの中の黒い影・富士。残雪の上を渡ってくる厳しい北風。木の葉を落とした雑木林の上にある鋭い三日月。大寒のツールが全て揃ったような夜である▼若い頃、友と共に試験勉強をし、夜遅く帰ることがしばしばだった。意気が高揚していたのだろうか。寒くはなかった。天空を廻る北斗七星やオリオンを眺め、胸を張って歩いた。敗戦の後で皆貧しく、未来が見えない時代だったが、心の中は凛としたものがあった▼今寒くても、もうすぐ春になる。節分が済めば次第に暖かくなってくる。季節が良くなってゆくように、日本の社会もきっと明るくなってゆくのだろう。何となくそう感じている時代だった▼昨年日本人は敗戦以来の衝撃を受けた。遅々として進まない復興。砂漠のような政治の様子を見ていると、私たちが信じ築き上げてきた社会は虚像ではなかったのか。そのような思いにとらわれる。でも、大寒の後に春立つ日が必ず来る。余寒や春寒などを繰り返しながら、やがて紅梅が咲く日が来る。今が寒中でも明日を信じ、未来に向かって一歩踏み出さなければいけない。先人たちは、みんな明日を見詰めて歩いてきたのだから。音なしに春こそ来たれ梅一つ 召波      (H)

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2012年2月3日 この記事をはてなブックマークに登録 この記事をnewsing it!へ追加  印刷する 印刷する

 NHKの大河ドラマ「平清盛」が始まり、初回の視聴率は一七・二%だった。歴代の作品としては決して高い方ではないが、話の舞台となる兵庫県知事の「映像が汚い」発言でにわかに話題性は高まった▼歴代の大河ドラマやテレビ小説、あるいは映画や人気ドラマの舞台になったところは、全国的に知名度があがり観光客も増える。最近ではお隣の川越市がテレビ小説「つばさ」の舞台となり、まちのイメージアップにつながった。兵庫県知事としてもそのあたりを目論んで、王朝絵巻の豪華絢爛な映像が繰り広げられることを期待していたのだろう▼県知事の失望もわからない訳ではないが、NHK側は「時代考証を考えてのこと、変更する気はない」と強気だそうだ。確かに、当時の一部の高級貴族を除けば、庶民の生活はかなりひどいものであったろう▼一方、市内在住の宮崎駿監督の「となりのトトロ」には、松郷や七国山といった所沢と思わせる地名が出てくるが、監督は「日本のふるさととして描いたもの」と語っている。物語りの内容が充実していれば汚いも古いも味となる。トトロとて本当にそのような場所があったように思えてくるから不思議だ。要は中身、期待したい。 (T)

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2012年2月2日 この記事をはてなブックマークに登録 この記事をnewsing it!へ追加  印刷する 印刷する

 「所小、明峰小を8年前に卒業した若者たちです。式の間の態度はとても立派で…応援したくなりました」。1月9日、所沢市で一斉に行われた成人式。当日、所沢中央公民館の式典に出席した所沢小学校大磯宏校長が学校便り「所小の風」に寄せた感想である▼政府は選挙権年齢引き下げ検討委員会を2月中旬から再開するという。具体的には成人年齢を20歳から18歳に引き下げることを検討する委員会だ。18歳といえば高校を卒業する年齢で、就学にしろ就職にしろ社会にはばたく節目だ▼前述の校長先生の「8年前」という感想を、中学校の先生に言わしめれば「5年前に卒業した」若者たちということになる。役人や名だたる専門家からなる検討委員会もいいが、できれば若者をよく知る現場の教職員の声も入れたらどうだろう。ちなみに世界の成人年齢をみてみると、162ヵ国が18歳となっている▼国庫が厳しくなり、国債の債務が国家予算の10倍になんなんとし、二つの「高」の円高と高齢化に歯止めが効かない近未来が肌で感じるほどにまで近づいてきた。消費税の値上げと相挨(あいま)って、年金加入年齢の引き下げともなるこの提案は、やむを得ないものなのかもしれないが…。(洋)

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2012年1月31日 この記事をはてなブックマークに登録 この記事をnewsing it!へ追加  印刷する 印刷する

二十三日夜遅く、清瀬駅に着いた。長い行列の後につき、三十分以上待って乗ったタクシーは小金井街道でとんでもない渋滞に巻き込まれた。情報によるとY交差点でトラックが横転したとか。いつ動くのか見当もつかない。対向車が来ないと思ったら、さほどでもない坂なのに車が滑って上れないとのこと。いくら都市が雪に弱いとはいえ、この現実にあきれた▼ふとこの道路が災害対策緊急道であることに気づいた。四年以内にマグニチュード7クラスの地震が七〇%の確率で起こると騒がれている。さらに、国は直下型地震が心配されている立川断層の、詳細な調査を行うことを明らかにしたばかりである。直下型の震災時、災害対策緊急道路は救急車や消防車など緊急車両のみが通過でき、一般の車は走れないことになっている▼しかし災害はいつ起きるか見当がつかない。朝の出勤時や夕方の帰宅時、決算日の真昼間かもしれない。そんな時災害が起き、火事にでもなったら。やはり行政は、あらゆることを想定して対処できるよう準備すべきであろう▼翌二十四日朝、雨戸を繰る。紺碧の空。木樹に積もった新雪。昨日のことが夢のように、真っ白な富士山が朝日に輝いていた。 (H)