9月3日の火の見やぐら

2010年9月3日 この記事をnewsing it!へ追加 Yahoo!ブックマークに登録 この記事をlivedoorクリップに登録  印刷する 印刷する

 ベートーヴェンの交響曲第九番といえば、通称「第九」といい、年末の風物詩となるほど日本人には絶大な人気を誇る名曲である。この曲がウィーンで初演されたのが一八二四年。日本は江戸時代で十一代将軍家斉の治世下、江戸文化の爛熟期。幕末英雄・西郷隆盛や坂本龍馬はまだ生まれておらず、勝海舟は二歳だった。今から一八六年も前のことである▼山口県防府市でこのほど一八六歳の超高齢者が戸籍上存在することがわかった。長崎市では、これをも上回る二〇〇歳というものや、兵庫では一七〇歳というケースも見つかっている。もちろん書類上のことであり、現実にはあり得ないことであるが、なぜ今までチェックされることもなく放って置かれたのだろう。一連の問題がなければ、この一八六歳の人は、今後も「生きつづけた」に違いない▼つぎつぎと発覚する「超高齢者」の存在は、私たちが間違いないと信じてきた戸籍の管理が、思いのほかいい加減に行われていたことで、あの年金問題とも通じるものがありそうだ▼「第九」の合唱の中に「創造主は必ず存在する」との一節があるが、二〇〇歳や一八六歳の超高齢者の「存在」に「創造主」もさぞ驚いていることだろう。(T)