意思表示に瑕疵がある場合の意思表示の有効性については、意思主義と表示主義という二つの異なった考え方がある。
意思主義は内心の意思を重視して意思表示の効力を否定する考え方であり、表示主義は表示行為を重視して意思表示を有効とする考え方である。意思主義は表意者の保護に役立つが、相手方の信頼の保護や取引の安全という観点からは表示主義が望ましい。
民法は、基本的には意思主義の立場から内心の意思を欠く意思表示の効力を否定するが、一定の場合には意思主義を制限して例外的に意思表示を有効としたり、無効の主張を制限したりしている。