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条件付法律行為の効力

このページの最終更新日 2019年3月30日

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条件の成否確定後の効力

条件の成否が確定すると、条件付法律行為の効力が確定する。停止条件付法律行為は、条件が成就した時からその効力を生じ(127条1項)、条件が不成就に確定することにより、確定的に無効となる。解除条件付法律行為は、条件が成就した時からその効力が消滅し(同条2項)、条件が不成就に確定することにより、確定的に有効となる。

まとめると、次の表のようになる。

【表】条件の成否確定後の効力

  条件成就 条件不成就
停止条件 効力発生 無効に確定
解除条件 効力消滅 有効に確定

条件成就の効果は成就の時から生じ、原則として遡及しない。ただし、当事者の意思表示によって条件成就の効果をその成就前にさかのぼらせることが可能である(127条3項)。

条件の成就・不成就の擬制

1 条件成就の擬制

条件の成就によって不利益を受ける者が故意に条件の成就を妨げた場合、相手方はその条件が成就したものとみなすことができる(130条)。たとえば、Aが仲介業者Bに対してA所有不動産の売却のあっせんを依頼し、売買契約が成立すれば報酬を支払うと約束した場合において、AがBが見つけた相手方Cと直接取引することによって故意に仲介による契約の成立を妨害したならば、Bは、仲介による契約が成立しなくても、報酬を請求することができる(最判昭39.1.23)。

2 条件不成就の擬制

条件の成就によって利益を受ける者が不正な手段によって故意に条件を成就させた場合については、規定がない。判例は、130条を類推適用して、相手方は条件が成就しなかったものとみなすことができるとする(最判平6.5.31―特定の条項に違反した場合にAがBに違約金を支払う旨の和解(条件付契約)が成立した後、Bが第三者に指示してAの違反を誘発させた事案)。

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