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このページの最終更新日:2019年3月15日
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追認とは、一応は有効である行為を確定的に有効とする意思表示である。取り消すことができる行為は、取消権者が追認した後は取り消すことができない(122条本文)。つまり、追認とは、取消権の放棄を意味する。
追認は取消権の放棄であるから、取消権を有する者(120条に規定する者)だけがなしうる。また、追認の方法は、取消しと同様に、相手方に対する意思表示によって行う(123条)。
〔考察〕民法122条の意義
民法122条はその本文において、改正前まで、追認の遡及的有効を規定していた。しかし、追認は一応有効な行為を確定的に有効にするにすぎないのであるから、遡及効を認めるのは無意味である。そのような規定が置かれていたのは、民法起草者の誤解によるものと言われる。また、同条ただし書は、「追認によって第三者の権利を害することはできない」と規定している。しかし、通説は、追認する前も法律行為は有効であり、また、第三者とは対抗関係に立つと考えるべきであるから、ただし書は無用の規定であると考える。
追認できるのは取消権者である(122条本文)が、次のような要件がある(124条)。
(1) 取消しの原因となっていた状況の消滅
追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にしなければ無効である(124条1項)。制限行為能力者は行為能力者になった後でなければ追認できないし、詐欺・強迫を受けた者は詐欺・強迫の状況を脱した後でなければ追認を行うことができない。取消しの原因たる状況が止まないうちは、依然、取消権によって保護する必要があるのでその放棄を認めるべきではないからである。
成年被後見人が行為能力を回復した後に追認する場合は、自己の行為を了知した後でなければ追認をすることができない(同条2項)。成年被後見人は自分のしたことを認識してないことが多いので、特別に自己の行為についての認識を要求したものである。
法定代理人、保佐人および補助人が追認する場合には、これらの者自身には取消原因がないので、以上のような制限はない(同条3項)。
(2) 取消権の発生の認識
追認は取消権の放棄であるから、取消権の存在、すなわち、行為を取り消すことができることを知ってなされることが必要である(大判大5.12.28)。取消権の発生の認識は、すべての追認権者に共通する要件である。
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