不在者の財産管理

用語集

不在者の財産管理(ふざいしゃのざいさんかんり)

不在者がそれまでの住所・居所を去った後でそこに残された財産がある場合、不在者の利益や公益のために、その財産を適切に管理する必要が生じる。

不在者がその財産を管理する者(管理人)を置いていき、かつ、不在者本人がその管理人を監督できるのであれば問題ない。

しかし、不在者が管理人を置くとはかぎらないし、また、不在者が管理人を置いた場合であっても、不在者の生死が不明であるときには本人による監督を期待することができない。

そこで、そのような場合に対する措置として、家庭裁判所が不在者に代わってその財産管理に関与する制度が設けられている(25条~29条、家事事件手続法145条以下)。

財産管理人の選任

不在者の財産を管理する者(管理人)がいないときは、家庭裁判所は、利害関係人または検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずる(25条1項)。具体的には、管理人を選任する。

選任管理人の権限・監督

家庭裁判所が選任した管理人(選任管理人)は、法定代理人である。選任管理人は、不在者の財産に関して民法103条に規定する行為(財産の保存・利用・改良)をすることができるほか、その範囲を超える行為が必要なときには、家庭裁判所の許可を得てその行為をすることができる(28条前段)。

選任管理人と不在者との関係は委任に準じるが(家事事件手続法146条6項)、選任管理人は家庭裁判所の監督に服する(27条1項・同3項・29条)。

不在者が生死不明の場合の委任管理人の監督・改任

不在者の生死が明らかでない場合、不在者が置いた管理人(委任管理人)は家庭裁判所による監督に服する(27条2項3項・28条後段・29条)。家庭裁判所は、利害関係人または検察官の請求により、管理人を改任することもできる(26条)。

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